コメントにお返事

http://d.hatena.ne.jp/chon/20040919で頂戴したあきさんのコメントにお返事を書いていたら長文になってしまったので、こちらのエントリでお返事します。

# あき 『久しぶりに、「はつせの世界」最後まで読ませてもらいました。歴史的事実がとても詳しく書いてあるので、すごいなあの一言です。これから、タイムスリップしたはつせと、戦争中の事実がどうからんで、どう展開していくのかが面白そうです。また、ストーリーの冒頭のところで興味を持ったのは、今後の中国の動きです。50年後、このストーリーのようになっている可能性あり、と思いました。アメリカのことも朝鮮半島のことも現実味を帯びていて、いろいろ考えてしまいました。』

あきさん、感想ありがとうございます。
『はつせの世界』は、いわゆる架空戦記(仮想戦記、歴史if小説、あるいは火葬戦記なんて言い方も)を読んでいるうちに自分でも書いてみたくなったものですが、個人的に近現代史の勉強をし直すために書き始めた面もあります。
高校までの日本史や世界史では、古代史から中世史は詳細に扱うのに、近代史は薄っぺらく、現代史はなぞるだけで終わってしまいます。あるいは、1930年代から1945年までの期間だけを『反戦教育』としてだけ扱います。*1でも、今の世界を知るために必要な基礎知識や、今の世界で起こっている諸問題の原因は、ほとんど18世紀後半以降に求めることが出来ると思います。
私自身、もともと近代史より古代史の方が好きであまり真面目に勉強していなかったのですが、それだと基礎教養にぽっかり穴が開くことに高校を出てから気づきまして。もう一度勉強し直さないといけないと思っていたのです。
しかしながら、いい年になってなんの目標もなくただ勉強するのは結構苦痛でして。そこで動機付けとして一本小説を書くことを目標に掲げてみたら、長期的に興味を維持できるんじゃないかと思ったのです。
……なんだか不純な動機です(;・∀・)


また、冒頭の2041年の情勢ですが。
これは、日本が軍事大国化するシナリオの背景として想定してみたものです。なにせ、50年以上稼働出来る空母を明治時代に送り込むのが目的だったもので(汗)
ただ、世界的な流れとして情報のグローバル化と平行して経済のブロック化への回帰が起こっているのは確かだと思います。19世紀のブロック経済は植民地支配によって成り立っていましたが、現代のそれは消費者市場の囲い込みと世界的な証券市場からの資本誘致によって進行しているように思います。そうしたときに、単純に人口の多い中国やインド、アフリカ諸国の発言力が向上してくることは不可避でしょう。アメリカ合衆国の内戦とかはかなりSF的な妄想ですが、日本が一定の地位を保つために中国にすり寄る展開というのは、全くあり得ない事もないのかなぁ、と思います。
学の浅い人間が四苦八苦しながら書いている妄想小説ですが、近現代史に目を向ける機会にでもしていただけると大変光栄です。

*1:私の学生時代の話なので、10〜20年も前の話ですが。おそらく今でも同じだと思いますが。