サンデープロジェクト見た

安倍晋三氏が出演してたのを見た。例の「NHKの番組に政治圧力……か!?(東スポ風に)」という報道の件で。
ひとまず安倍晋三氏と問題の番組の中で扱われた「女性国際戦犯法廷」を開いた「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク (VAWW-NET Japan) 両者のサイト、それから関連ニュースをざっと見てからいろいろ書こうと思ったのですが、いまのところ安倍氏のサイトもVAWW-NET Japanのサイトもビジーでつながりません。
取りあえず分かったのは、NHKのデスク(チーフ・プロデューサー)で今回の原告である長井という人物と、安倍晋三氏の事実認識や主張がまるっきり食い違っていること、それと、安倍晋三氏が、この事件を取り上げる朝日新聞の報道スタンスがある種の予断と政治的意図に基づくものであると感じていること、この2点でしょうか。
また、サンデープロジェクト出演者の発言から、この問題についていくつもずれた論点が存在することも理解できました。

  1. 番組の内容自体が公平な報道として相応しいものだったかどうかが問題。
  2. NHKと政府与党との関係のあり方が適切であるかどうかが問題。
  3. 報道の自由が政治的圧力によって侵害されたかどうかが問題。
  4. 長井氏の主張が事実か(事実に基づくもの)どうかが問題。
  5. 朝日新聞の報道がキチンとした取材に基づくものかどうか、対安倍・中川両氏への政治的な攻撃を意図したものではなかったか問題。

軽く挙げても5つの論点が存在し、それらが整理されず渾然一体のまま語られていることがこの事件の理解しにくさにつながっている気がします。
あと、この事件に対しての主にblog界隈での反応を見ると、どの論点に重点を置いているかは置いといて、心情的に安倍晋三氏を支持する意見が多く見られた気がします。世間一般の雰囲気が次第に右傾化しつつある中で、北朝鮮や中国を巡る問題で一貫して「主張するべきは主張する」というスタンスを維持してきた安倍氏への信頼感や、「ポスト小泉」への期待感などが安倍氏支持の背景にはあるんだろうけれど。朝日新聞も、対中問題でかなり強硬派である*1中川経済産業相だけ狙っておけば良かったのに、下手に感情的な拉致問題の旗頭的位置付けにいる安倍氏を槍玉に挙げたことで、かえって明確な反論や感情的反発を買うことになりそうで、あまり上手いやり方じゃないように感じる。
あと、民主党はこの問題を主に上記2または3の論点で政治問題化し、次期国会の予算委員会で追及する方向を打ち出しているのだけれど、これもあまり得策じゃないように思う。攻め方にも寄るだろうけれど、下手に人気のある安倍氏をここぞとばかりに叩きに走るより、人気に余命幾ばくも無さそうな小泉首相の政治的課題(郵政民営化とか、年金問題とか)で正面から戦った方が、次期政権獲得のためにはいいんじゃないかと思う。今民主党に求められているのは「反対野党」として騒ぐことじゃなくて、もっと現実的な政権奪取後の政策提案/実行が可能かどうかアピールすることだと思う。少なくとも、予算委員会泥仕合を見せられるのは、我々無責任な観客にしてもそろそろ飽きた気がするし。


まぁ、ソースをまとめられなかったのでなんだか思いついた雑感だけになってしまいましたが、思いついたことを書いておきました。

*1:EU訪問で対中武器禁輸解除の方向性にクレームをつけたり結構アクティブ