脱オタクファッションガイド

本屋で偶然見かけた『脱オタクファッションガイド』という本を立ち読み。

脱オタクファッションガイド

脱オタクファッションガイド

公式サイトもあるっぽい。
http://www.oxiare.net/
コミック仕立てのストーリーに解説のコラムがついて、ファッションの基本が学べるなかなかの力作だと思われる。ビジネススーツ以外、ファッションのことなど無知(正確には、ケルトやローマの服飾文化には興味はあるが)な私もとても勉強になりますた。
とはいえ。
本編コミックの主人公は、
・ちょっと気になる女の子に「一緒に歩きたくない」といわれてショックを受ける
・服飾系専門学校生の幼なじみと劇的再会
・ファッションについていろいろ教えてもらう
という経緯をたどって『脱オタクファッション』を目指すわけですが、その結果
・新しい服を買うためにバイトを増やし
・欲しいオタクグッズを諦め
・ファッショナブルに変貌してオタク仲間に裏切り者認定
と、着実にイケメンへとステップアップしていくわけであります。


……


それ、『脱オタクファッション』じゃなくて、『脱オタク』そのものじゃねーですか?
結局、
「オタクでも見た目がちゃんとしてれば大丈夫だよ」
といいつつも、実際には
「オタクっぽいしゃべりとオタクっぽい話題とオタクっぽいアイテムを全否定」
するわけで、それはオタクを受け入れて理解する姿勢と言うより、オタクを矯正するべき社会病理かなにかと認知しているのではないかと感じたり。
電車男以来、「オタクは見た目キモイけど中身はいい人」みたいな微妙に間違った認識が広がりつつありますが、さらに一歩踏み込んで「見た目もよくすればいいじゃん」というのはまっとうな正論のようでいて、結局は社会的にオタクを矯正するムーブメントなんじゃないかと思ったり。
大体「本やDVDより服を買う」という発想が出来る段階で、その人は既にオタクじゃありませんよ。
その是非はともかく、なんだか手法に『間違ってる感』が漂っている気もします。オタクが身なりに気を遣うようになるのは、決して悪い事じゃないとは思いますけどね。