異世界日記の再公開について

今回の「異世界日記」公開停止について、メールや掲示板などで様々なご意見をいただきました。皆様、ご心配をおかけしまして誠に申し訳ありません。
励ましのご意見など多々いただきまして、作者冥利に尽きる光栄です。ありがとうございます。
いただいたご意見の中で、著作権について調べていただいたものがたくさんありました。
おかげで、私もちょこっとだけ詳しくなった気分です。(あくまで気分)


楽曲の歌詞や楽譜の引用については、これまでにも多くのWebサイトやブログで問題となっているようで、メールで参考URLなどを送っていただいて大変参考になりました。
あくまで法律に無知な私の個人的感想ですが、これらのケースで問題になっているのは、著作権法で定める「引用」とその解釈、そして著作権管理団体の判断する「引用」の定義の間に大きな隔たりがあることの様に思えます。
これまで、商業作品や商業誌などのメディアで歌詞や楽曲が利用されることについて、「取りっぱぐれが無い」ように立ち回ってきた著作権管理団体は決して間違ってはいないと思うのですが、それが個人Webサイトやブログなど新しいメディアに対象が変わっても全く同じ規範を用いることに、やはり違和感はぬぐえません。
Webサイト自体が、『無料で配布できる新聞・雑誌媒体』としての性格と、『近所の井戸端会議や口コミなどのコミュニケーションメディア』としての性格を併せ持っているために、こういう事が起こるのは解るのですけれど。


それはともかく。
個人的には、「作中に引用するだけなら別に良いのかなぁ」的な部分もあったのですが、著作権管理団体などから請求が来た場合などに、法務的な面でリスクも大きいし、時間的にも経済的にも負担が大きいと考えて、公開を停止することにしました。
これまでよそのサイトなどで著作権管理団体と揉めたケースでは、管理団体側の主張は一貫して「料金支払いに応じろ」というものですし、それを覆せたケースはあまりないようです。心情的には、著作権管理団体のやり方に異議を唱えたい部分もあるのですが、それを行った場合に負わなければならないリスクを負いきれません。圧力に負けた腰抜けと取られる向きもあるかもしれませんが、それもやむを得ないと思います。趣味で書いている小説にそれだけの労力を割く覚悟は私にはありません。


とりあえず、現在はどの部分をどう修正するか考えている段階ですので、明確なことは申し上げられませんが、最悪、該当する日の部分を欠番扱いにして再公開することになるかもしれません。
いざ直そうと考えて見直すと、何故作品中にあの歌詞が必要だったのか、そこに込められた暗喩だとか意味が、他の形で表現するのが非常に難しい物だと改めて思い返されました。
問題のある部分をそのままにしておくわけにもいかず、該当する部分を削除すれば意味がごっそりと抜け落ちる。欠番扱いにすれば話がつながらない。非常に判断の難しい状態です。
ですので、公開再開を期待される声は非常に嬉しいのですが、私としても大変悩んでおり、今しばらくお待ち下さいとしか言いようがありません。
何卒ご理解いただければと思います。