小姑モード

どうも以前から気になって仕方がない語彙の誤用がある。
一応』と『一様』だ。
今さら取り立てて言うほどもないごく一般的な誤用なのだけれど、これを見るたびにツッコミを入れたくなってしょうがない。もちろん、そんなツッコミが余計なお世話だって事も分かっているし、困るのは私じゃないので、口には出さずに懐のうちでツッコミを入れるだけなのだが、それでも気になるものは気になる。
ちなみに、書くまでもないことは百も承知だが、誤用の例文を挙げておく。

「例の件、サムライシステムさんに確認しておいてくれた?」
一様電話しておきましたが、先方でもよくわからないそうです。」

もちろん、この場合は【ひとまずは】とか【通り一遍は】の意味なので、『一応』が正しい(より正しくは『一往』)。
不思議なことに、その逆の誤用はあまり見かけない。

「今日は皆さんに、殺し合いをして貰います。」
冷ややかな教師の発言に、生徒達は一応に口をつぐんだ。

こんなのはまず見かけない。
多分、『一応』に較べて『一様』の利用頻度が著しく少ないことが原因だとは思うのだけれど、それならなぜ「一様やっておきました。」みたいにわざわざ誤用するのか理由がわからない。
活字で『一応』という言葉を覚えた人はそれほど誤用することはないのではないかと思うが、あまり活字を目にせず耳で語彙を増やしていくタイプの人にとっては『一応』であろうと『一様』であろうとさして変わりのない言葉に思えるのだろう。
重大でも何でもない話題だが、長年気になっていたので一応書いておくことにする。