人の死に際

より正確に言えば、死んだ後の話なのですが。
祖母が亡くなって葬儀の時、親類といざこざがありました。
祖母は、祖父が亡くなってから痴呆が酷くなり、特別養護施設にお世話になっていました。
祖母の弟が数年前無くなった際、その葬儀で、父の従兄弟に当たる人物が、ポロッとこう漏らしたのが発端でした。
「母親を老人ホームに押し込むなんてオレには出来ない。」
この発言は、父の逆鱗に触れたようで、つかみ合い寸前になったそうです。
この発言は父にも痛い一言でしたが、同時にそう言った父の従兄弟も自分の母親と同居せずに離れて暮らしている負い目から出た言葉のようで、いろいろと遺恨を残しました。
その後、祖母の妹に当たる父の叔母が亡くなったときに、また遺恨を残す事件がありました。亡くなったという話を親類の誰も父や祖母に知らせず、父と祖母は葬儀が済んでから線香を上げに行く事になったのです。このとき、父は騒ぎ立てるのも良くないと思ったそうで、その扱いを我慢して大人しくしていました。
そして、祖母が亡くなって、父がさして多くない親類に通夜の予定を連絡したところ、祖母の義妹(件の従兄弟の母親)からこういってきました。
「出るかどうかは親類一同で相談して決める。本葬はともかく通夜は出なくていいか。」と。
父は激怒しました。
「そんなことなら通夜にも本葬にも出て貰わなくて結構。あんた達とは今後一切つきあわないし、縁も切らせて貰う。親戚で誰が死んでも弔ってやるつもりはないからそのつもりでいろ!」
そんな風に言い返しました。
結局、父の剣幕に恐れをなしたのか、親類は手のひらを返したように通夜に参加してきましたが。
村八分という言葉がありますが、村社会での10のつきあいのうち、8を絶つことです。しかし、残った二分は『火事』と『葬式』です。八分にしていても葬式くらい出るのが礼儀だし、自分の身内が亡くなったときに「葬式には出ない」と言われたら、どれだけ腹が立つことか。
葬式の席ではよく揉め事が起きるそうですが、やはり喪主も参加者も尋常な心理状態では無いからでしょうか。


冠婚葬祭なんかでは、言動に注意しないといけないと思ったわけです。