P-XとC-X

一応言わずもがなですが、

  • 次期固定翼哨戒機→P-X
  • 次期輸送機→C-X

です、はい。
一昨日ちょっとふれたこの件について、Mark 23rd Street(id:mark23)さんがソースとして触れておられたので、ちょっと考察というか情報まとめというか。
P-Xは現行の対潜哨戒機P-3Cオライオンのリプレース計画。予定調達数80機程度。
C-Xは現行の輸送機C-1のリプレース計画。予定調達数30機程度。
この2機種は主翼や操縦装置など機体の一部を共通化することでコストダウンを計るほか、エンジンも同一の物を使用するとしている。また開発した技術は純国産旅客機計画YS-X(双発100-150席の小型機)へ転用することで国産航空機ビジネスへのてこ入れも企図している。
んで、P-XおよびC-Xともに既に開発は新中期防衛計画の下、2001年度からスタートしていて、既にエンジンの選定も終わっていたりする。
そこへ、今年に入って持ち上がったのがアメリカのMMA計画(ボーイング)機を代わりに買えば安く済むんじゃなかろうかという話。
以上ざっとまとめ。


んで、いくつか思ったことを止めどもなく。
まず、「P-XやめてMMAにしたら安いじゃん」だけど、すでにP-Xだけ切っても意味無いんじゃないかと思うわけで。C-XとYS-Xまでまとめて切って、川崎重工以下国内軍需産業の人たちに片っ端から首吊って貰うつもりなら安くもあがると思いますけどね。時々、ゲル元長官はMDでもゲリコマ対策でも口実は何でも良くて、ただアメリカから最新兵器買いたいだけなんじゃないかと思わなくもない。
と、書いた手のひらを返すように、P-X、C-X、YS-X計画の批判。

  • 対潜哨戒機は制圧可能時間(=オンステージ可能時間)が一番問題になるんだし、ターボプロップのがいいんじゃね?ってか、MMAの話が出てくるまで、どこの国も「P-3Cでいいや」「ニムロッドでいいや」とか言ってなかったっけ?
  • C-Xは調達数少なすぎ。この数だったらC-17グローブマスターⅢ買った方がいいような気も。
  • YS-Xって、正直売れると思う?エアバスA320と同じかちょっと下を狙ってるんだろうけど、ボーイング7E7もあるし、ねぇ。

ぶっちゃけて言ってしまえば、YS-Xで元が取れる計算をちゃんとしてるんならいいけど、きっとしてないんだろうなぁと思ってるわけです。個人的には、P3-Cはアップデートして、C-1は機数減らした上でC-17に、YS-Xのことは忘れた方が幸せなんじゃないかと思っていたんですけどね。
ま、P-3C逆転導入の時やC-1の技術をC-14(そしてC-17)にパクられた時の恨みもあるだろうし、「意地でも国産でやっちゃるわい(ギリギリ)」と歯ぎしりする気持ちは判るけれど。でも、実際には「子飼いの重工遊ばしておくとアレだしなぁ」ぐらいの必要性しか感じられないんですよね、この計画。
ただ、ここまで進んじゃった計画を止めたらさらに税金の無駄遣いだと思うので、YS-Xはともかく、P-XとC-Xは予定通りやった方がいいんじゃないかと思います。
以上、知ったかぶりの素人意見でした。