次世代戦闘機 F35共同開発参加へ 政府検討 技術共有、コスト抑制

http://www.sankei.co.jp/news/041224/morning/24iti001.htm

 政府は二十三日、次世代高性能戦闘機F35など、世界で主流となっている兵器の国際共同開発へ参加に向け検討に入った。最先端技術を共有することで、米英などと安全保障や経済面での相互依存関係を深めるとともに、国産開発にかかる時間とコストの抑制を図る。十日に閣議決定された新たな「防衛計画の大綱」にあわせた官房長官談話では、武器輸出三原則を米国とのミサイル防衛(MD)に限定して解禁すると表明。その際、米国との共同開発・生産や「テロ・海賊対策支援等」にも「個別に検討」としており、これを適用する考えだ。


id:saikawaさんがこの記事に触れておられたので、思ったことなど。

これを『次期防の最終年度(2009年)から7機を導入する多目的新型戦闘機』(:Yomiuri On-Line)に相当させようというのだろうか(まぁ型は出来てる段階だが…却ってそれがユーロファイターに於ける逆フランスのような)。MD絡んで仕方なしかも知れんが、カネ出してブラックボックスも教せーて貰えないのは情けない。 その前に、まさかソノ7機が 主 力 なのだろーか? 戦争反対


2009年度予算で調達予定のF-4EJ後継機、というか実質的には時期FXなわけですが、これとこのニュースを関連づける声は結構あるみたいです。
ただ、同時に指摘されるのは、

  • 記事によると日本が検討しているのは『政府が検討しているのは、開発への関与が最も低い段階での参加。』であり、この場合優先的な配備は難しい。2009年度予算化−2011年頃受領(次期防)のスケジュールには間に合わない。
  • F-35計画はデスマーチに突入しつつあり、量産試作機の飛行が延び延びになっている(先日も1年予定が延びたとの情報が)。その面からもスケジュール的に厳しい。
  • F-35A(陸上運用型)は米空軍が1800機以上調達予定で、年産200機のハイスピードで整備しても9年。生産開始5年は日本に回ってこないだろう。→空自配備はどんなに早くとも2015年以降。

といったあたりでしょうか。
また、防衛庁長官の記者会見でも
http://www.jda.go.jp/j/kisha/2004/12/24.pdf (要Adobe Acrobat Reader)

Q:戦闘機のF−35について、一部報道で共同開発への参加を検討していると
いうのがありますが事実関係についてお願いします。
A:内部的に見ても議論をしたこともなければ考えたこともありません。

と、コメントが出ており、これが「今は公表できない」という主旨の発言としても、2009年度予算化の俎上に載ってくるとは考えにくいかと思います。


では、なぜF-35プロジェクトへの参画の話が出てきたのか。あくまで想像ですが、

  • MD絡みで仕方なく。買う気はない。
  • FXにF/A-22を売ってもらう代わりに仕方なく。
  • 2020年代に買うかもしれないので手付けに。
  • 実は重すぎで瀕死のF-35B(STOVL型)を日本の技術(複合材料とか)で何とかしてくれと泣きつかれた。
  • 実は導入すするのは海自。F-35C(艦載型)を空母機に。

とか。


とりあえず、調達計画の見直しとか、超特例でのF-35Aの優先配備でも無い限り、FX(MRFX)にF-35Aが来ることはないと思います。
F-15J/DJの改修も進んでいるようですが、10年以内に性能的に苦しくなってくるのは見えていますし、まだ飛んでいないF-35を2015年まで(あるいはもっと遅く)待てるかというと、難しいのではないでしょうか。