「よろしい、ならば××だ!」

guldeen様のコメント(http://d.hatena.ne.jp/chon/20060809/p1#c1155192173)を受けて。

ヒラコー先生の「ヘルシング」で一躍有名になったこのフレーズ。ご存じの方には言わずもがなですが、史上最強のデマゴーグの一人である、第三帝国国民啓蒙・宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッベルスの名演説が元ネタです。一般に「総力戦布告」と呼ばれているもので、1943年2月18日、ベルリンのスポーツ宮殿(Berliner Sportpalast)で1万5千人の大観衆に向けて行われたものです。
原文を掲載されているサイトと、翻訳文を引用されているサイトがありましたのでリンクを張ります。

ドイツ語原文

Rede von Joseph Goebbels im Berliner Sportpalast vom 18. Februar 1943
http://www.ne.jp/asahi/masa/private/history/ww2/text/sportpalastrede.html

翻訳文引用

総力戦布告
http://www.mirai.ne.jp/~ittaka/souryoku.html


この演説の締め、「Nun, Volk, steh auf und Sturm brich los!」が一般に「よろしい諸君、ならば嵐だ!」などと翻訳されているようです。
ちなみにこの演説は、1943年1月31日〜2月2日にかけてスターリングラードの第6軍が降伏し、東部戦線における攻勢が頓挫しつつあった状況を受けて行われたものです。この演説によって、第三帝国は更なる戦争継続を可能にし、結果的には国土を蹂躙され東西に分割占領される憂き目を見ることになります。北アフリカ戦線の崩壊、ツィタデレ作戦の失敗、イタリア降伏などの劣勢にもかかわらず戦争を継続させたこの演説は、ある意味「総力戦」という言葉の意味を身をもって示したと言えなくもありません。


この辺結構有名な話なのに、簡潔にまとめているサイトやエントリなどが見あたらなかったので、僭越ながらまとめてみました。