冬のクラシックキャンペーンinウチその2

体調を崩して家で寝。午後から熱が引いてきたのでもぞもぞとPCにCDを喰わせる。


Bruch: Violin Concerto NO.1/Scottish Fantasy

Bruch: Violin Concerto NO.1/Scottish Fantasy

諏訪内晶子のデビュー盤。当時話題の一枚で、ブルッフのヴァイオリン協奏曲をテープしか持っていなかったので「せっかくだから」と買ったもの。マリナー/アカデミー室内管というのも安パイだったし。
が。この一枚はただものではなかった。第一ヴァイオリンの瑞々しい演奏が、いつもどこか冷静で計算された、逆に言えばこぢんまりとしたアカデミー室内管の演奏に凛とした情熱を吹き込んでいる。殊に、スコットランド幻想曲は名演に仕上がっていると思う。


ジャケ写が無いのが残念。粉砕されるレーニン像、スラブ三色旗を手に赤の広場を埋める群衆。ソヴィエト崩壊当時、実にショッキングなジャケットだったのを覚えている。
この演奏は、1991年8月18日・19日の録音。ソヴィエト連邦崩壊の引き金を引いた8月クーデターの最中に演奏されたモノで、同日録音の行われたモスクワ放送は保守派のクーデタ部隊によって占拠されている。
演奏や録音自体のクオリティは正直あまり高くはないのだけれど、それ以外の迫力や雰囲気は鬼気迫るモノがある。音楽は生き物だと教えてくれる一枚。


Respighi: Pini Di Roma, Feste romane, Fontane di Roma

Respighi: Pini Di Roma, Feste romane, Fontane di Roma

レスピーギのローマ三部作を小澤征爾/ボストン交響楽団が1979年に録音したモノ。
ドイツ・グラモフォンのGALLERIAシリーズ。アナログ録音をデジタルリマスタリングした盤です。
若干録音が古いのを我慢すれば、このGALLERIAシリーズは定番揃いなので、迷ったらこのシリーズを買っています。
レスピーギのローマ三部作とか、ホルスト組曲惑星とかは管弦楽曲好きの定番ですが、じつは吹奏楽から入った人間にも馴染みが深かったりします。


CARMINA BURANA

CARMINA BURANA

こちらもGALLERIAシリーズの一枚。オイゲン・ヨッフム指揮、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団及び合唱団、 シェーンベルク少年合唱団、ソリストは、フィッシャー=ディースカウ、 シュトルツェ、 ヤノビッツ。きわめて定番。
小澤征爾/ベルリンフィルの一枚(asin:B00005FEY1)の方が洗練されていて録音もクリアだけど、事カルミナ・ブラーナに関してだけはより素朴で垢抜けないこっちの録音の方が好きだ。


マーラー:交響曲「大地の歌」

マーラー:交響曲「大地の歌」

ロンドン/ショルティ/シカゴ響のマーラー大地の歌」。
これほど指揮者・演奏者や独唱者によってがらりと変わって聞こえる曲も珍しいと思う。
この演奏は、迷い無くパワフル、クリアに美しさを追求する、なんだかちょっと健康的なマーラー
比較対照としては、バーンスタイン/ウィーンフィル*1(グラモフォン)の「大地の歌」が適していると思う。こちらは、迷いの中で諦念と執着を繰り返し、祈りと怨嗟の入り交じったような、不健康なマーラーが楽しめる。
ごく個人的に、マーラーに関しては7番辺りまではショルティが、8番以降や大地の歌バーンスタインが好きかもしれない。


むー。なんか微妙ラインナップを並べてしまった。今度書く機会があれば、もっと入門っぽいのも書こう。

*1:イスラエルフィルだった気もする