冬のクラシックキャンペーンinウチその4

微妙なラインナップのCDに半端な知識で蘊蓄を傾ける、誰にも期待されていないこのシリーズ第4弾。
今回は、有名どころの曲が入ったCDをピックアップ。前回の「入門に良いかもしれないCD」の後に、キャッチーな曲を聴いていくときによさげなのを5枚ほど。

Tchaikovsky: Overture Solennelle 1812, Serenade for Strings

Tchaikovsky: Overture Solennelle 1812, Serenade for Strings

チャイコフスキー管弦楽曲を3タイトル収録。「大序曲"1812"」、オペラ「エウゲニー・オネーギン」から「ポロネーズ」と「ワルツ」、そして「弦楽のためのセレナーデ」。
「弦楽のためのセレナーデ」は、会社がイヤになって転職したくなったときに流れてくるあの曲です。といっても、あのCM*1のバックで流れているのは第一楽章の冒頭だけで、他の部分も聴き出がありますけどね。
あと「大序曲"1812"」もなかなか有名な曲です。大ざっぱに言うとナポレオンを撃退した記念に書かれた曲で、ロシア軍とフランス軍の戦闘を情景的に描いています。スコア(楽譜)にカノン砲パートがある事でも知られていますね。室内では大砲は使えませんが、屋外だとホントにぶっ放します。


スメタナの「我が祖国」といってもピンと来ないかもしれませんが、そのうちの一曲が「モルダウ」だと言えば、歌詞付きで合唱曲になっていますので、ピンと来る世代の人も居るんじゃないかと思います。最近も音楽の授業で聴いたり歌ったりするんでしょうか。
スメタナチェコの作曲家なんですが、自国チェコの伝説や歴史を織り込んだ連作交響詩としてこの「我が祖国」を作っています。その背景には、ドイツ統一運動や汎スラブ主義などに翻弄される19世紀東ヨーロッパの歴史だとか国民楽派運動だとかいろいろあるんですが長くなるので、興味があったら自分で調べて下さい。(オイ


ドヴォルザーク交響曲第9番、通称「新世界から」。これも解説するまでもなく有名な曲ですが、第2楽章が「遠き山に日は落ちて」の原曲になっているとか、祖国チェコからアメリカに渡って黒人霊歌ネイティブアメリカン文化の影響を受けたとかいろいろ逸話のある曲です。
あるアンケートでは、「日本人が好きなクラシック」のダントツ一位だったそうです。


ホルスト:惑星

ホルスト:惑星

ホルスト組曲「惑星」。組曲のうち一曲「木星」が、昨年歌詞付きで「ジュピター」としてPOPS曲になって一躍知名度が上がった感があります。元々、日本ではあまりメジャーな曲ではなかったんですが、ヘルベルト・フォン・カラヤン/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の組み合わせで1960年代に録音されたものがベストセラーになり、メジャータイトルとして定着したそうです。(このCDは1981年の録音)
私が生まれる頃にはメジャータイトル化してたワケですね。
各曲ごとにメリハリがあって、映画音楽的な派手でわかりやすい楽想がミソでしょうか。


Gershwin: Rhapsody In Blue / An American In Paris

Gershwin: Rhapsody In Blue / An American In Paris

ガーシュインの「ラプソディー・イン・ブルー」と「パリのアメリカ人」。どちらも、若きレナード・バーンスタインの弾き振り(ピアノを弾きながら指揮もする)録音(1958/1959年)。
どちらの曲も、よくCMなどで使われる有名な曲ですね。たしかユナイテッド航空とか使ってたはず。
ガーシュインは多くのミュージカルやスタンダードナンバーを手がけた作曲家で、クラシックもポップスもジャズも貪欲に取り込んで新しい音楽を産み出した人として知られています。この二曲も、オーケストラとピアノ用の曲ですが、クラシックともジャズとも言えない都会的な魅力があります。1920年代の曲なのに、80年以上経た今でも古く感じないところが凄い。



次回はワーグナーモーツァルト辺りオンリーで行ってみようかと思います。まぁ、誰も期待してないだろうけど(笑)

*1:三蔵法師の冷え切った台詞がステキだ